こんな自分もブログを書くようになった
以前は、こういう文章をあまり書かなかった。理由は単純で、面倒くさがりだから。
何か思いついても、整理して、文章にして、公開する場所まで用意するのかと思うと、まあいいかとなる。そのうち仕事が忙しくなって、忘れてしまう。
今は、個人のホームページも、この文章も、AI と話してから形にしてもらっている。面倒で後回しにしていたことが、少し話すだけで、とりあえず形になる。
これは本当にありがたい。AI を使うのがますます楽しくなっているし、もう手放しにくい。
ただ、使っていると時々思う。あんなに苦労したこと、自分では結構得意だと思っていたことが、どうして急にこんなに簡単になったんだろう。
みんなアクセルを踏んでいる
NEC から SB Intuitions まで、ずっとモデルの学習に携わってきた。毎日触れている自分でも、最近の変化は速すぎると感じる。
去年はチームでやっていた仕事が、今年は一人でできてしまう。何人かで一週間かかっていたことが、AI を使えば一人で一日で終わるかもしれない。厳密な統計ではなく、日々の仕事でだんだん強くなっている実感だ。
時間が浮いたからといって、みんながゆっくりしているわけでもない。コードを速く書けると実験が増える。論文を速く読めると、読むものも増える。知識も研究も膨らんで、誰もアクセルから足を離さない。
今日は新しいモデル、明日は新しいツール。一つの Coding Agent に慣れる前に、もう別のものが話題になっている。
わくわくするけれど、疲れもする。自分の仕事をしているのか、更新を追いかけているのか、時々分からなくなる。
大事だと思っていた能力は、今どうなったんだろう
学生の頃、一週間で論文を一本きちんと理解できれば、なかなかいい方だった。コードを書いて、実験して、まともな論文にするまでには、かなりの練習が必要だった。
今はそのかなりの部分を、AI が簡単にしてくれる。時間をかけて身につけないと越えられなかったハードルが、少しずつ低くなっている。
だから「知識は AI に置き換えられない」と言われても、自分にはそこまで言い切る自信がない。少なくとも自分の仕事では、人が知識を身につけ、時間をかける必要があったことの一部を、もう AI に任せられる。
もちろん、確認や判断はまだ人がやる。でも、今日、人がやる必要のある部分は、来年どれくらい残っているんだろう。
論文が四、五本ある修士の学生でも、希望に合う仕事を見つけるのに苦労しているのを見かける。全部 AI のせいにはできないけれど、昔より多くの成果を出しても、安心できるとは限らないんだなと思う。
学生に何を勉強すればいいか聞かれたら、たぶん今でも、論文を読んで、コードを書いて、何か作ってみようと言う。ただ、口にする前に、以前より少しためらう気がする。
技術の外もちょっと見てみたい
最近は、若い人も少し時間を割いて、プロダクトを作ってみてもいいのかなと思う。
以前はアイデアを形にするだけで大変だった。今なら AI の力を借りて、まず人に使ってもらえる。すると、誰が必要としているのか、なぜ使うのか、いいねと言ってくれるのにどうしてお金は払ってくれないのか、そんな具体的な話になる。
ビジネスや社会には、AI がまだ本当には分かっていないことがたくさんある気がする。自分も分かっていない。だからこそ、ちょっと触れてみたい。
企業や投資、株について調べるのも、その一つだと思う。会社は何で利益を出しているのか。技術がよくても事業として成り立つとは限らないのはなぜか。技術の仕事に追われていた頃は、あまり考えてこなかった。
株を買って儲かるかどうかは、また別の話だけれど。AI に分からないことが、自分には分かるとは限らない。
せっかく時間が浮くなら、少しは別のことを試してもいいのかもしれない。全部を次のモデルのチェックや、もう一本の論文に使わなくても。
夜は宇宙の話でも読もう
とはいえ、こういうことを考え続けていると、やっぱり少し不安になる。
最近は寝る前に、宇宙のちょっとした話を読むのが好きだ。銀河やブラックホール、想像もつかないほど長い時間の話。読んでいると、AI の進歩は確かに速いけれど、宇宙から見れば人類はまだ本当に小さいなと思う。
時々「ボルツマン脳」のような不思議な思考実験にも出会う。ランダムなゆらぎから一瞬だけ脳が生まれ、その脳が持っていると思っている記憶すら、実際には起きた出来事でなくてもいい、という仮想の話だ。
こういう話をどう受け止めればいいのか、自分にもよく分からない。ただ、寝る前にぼんやり考える。こんなに現実的で長く感じる人生も、その仮定の中では一瞬かもしれないのなら、今日出た新しいモデルも、そこまで急いで追わなくていい気がしてくる。
不思議なもので、もっと不安になりそうな話なのに、かえって少し落ち着く。
それで、寝る。
翌朝起きたら、また AI から新しい衝撃を受ける一日が始まる。
本文のイラストは AI で生成しました。