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2026年10月12日

AI はどんどん便利になる。それで、この先は?

モデルを作り、AI を使い、それでも少し不安になる。若い人のこと、低くなっていくハードル、寝る前に読む宇宙の話。

こんな自分もブログを書くようになった

パソコンに話しかける人。その考えが少しずつ文章になっていく

以前は、こういう文章をあまり書かなかった。理由は単純で、面倒くさがりだから。

何か思いついても、整理して、文章にして、公開する場所まで用意するのかと思うと、まあいいかとなる。そのうち仕事が忙しくなって、忘れてしまう。

今は、個人のホームページも、この文章も、AI と話してから形にしてもらっている。面倒で後回しにしていたことが、少し話すだけで、とりあえず形になる。

これは本当にありがたい。AI を使うのがますます楽しくなっているし、もう手放しにくい。

ただ、使っていると時々思う。あんなに苦労したこと、自分では結構得意だと思っていたことが、どうして急にこんなに簡単になったんだろう。

みんなアクセルを踏んでいる

動く歩道で論文を読む人の横を、新しい論文やツールが次々に流れていく

NEC から SB Intuitions まで、ずっとモデルの学習に携わってきた。毎日触れている自分でも、最近の変化は速すぎると感じる。

去年はチームでやっていた仕事が、今年は一人でできてしまう。何人かで一週間かかっていたことが、AI を使えば一人で一日で終わるかもしれない。厳密な統計ではなく、日々の仕事でだんだん強くなっている実感だ。

時間が浮いたからといって、みんながゆっくりしているわけでもない。コードを速く書けると実験が増える。論文を速く読めると、読むものも増える。知識も研究も膨らんで、誰もアクセルから足を離さない。

今日は新しいモデル、明日は新しいツール。一つの Coding Agent に慣れる前に、もう別のものが話題になっている。

わくわくするけれど、疲れもする。自分の仕事をしているのか、更新を追いかけているのか、時々分からなくなる。

大事だと思っていた能力は、今どうなったんだろう

本を抱えた人の前で、本でできた階段がなだらかな道へと変わっていく

学生の頃、一週間で論文を一本きちんと理解できれば、なかなかいい方だった。コードを書いて、実験して、まともな論文にするまでには、かなりの練習が必要だった。

今はそのかなりの部分を、AI が簡単にしてくれる。時間をかけて身につけないと越えられなかったハードルが、少しずつ低くなっている。

だから「知識は AI に置き換えられない」と言われても、自分にはそこまで言い切る自信がない。少なくとも自分の仕事では、人が知識を身につけ、時間をかける必要があったことの一部を、もう AI に任せられる。

もちろん、確認や判断はまだ人がやる。でも、今日、人がやる必要のある部分は、来年どれくらい残っているんだろう。

論文が四、五本ある修士の学生でも、希望に合う仕事を見つけるのに苦労しているのを見かける。全部 AI のせいにはできないけれど、昔より多くの成果を出しても、安心できるとは限らないんだなと思う。

学生に何を勉強すればいいか聞かれたら、たぶん今でも、論文を読んで、コードを書いて、何か作ってみようと言う。ただ、口にする前に、以前より少しためらう気がする。

技術の外もちょっと見てみたい

試作品を人に使ってもらい、感想を聞く作り手

最近は、若い人も少し時間を割いて、プロダクトを作ってみてもいいのかなと思う。

以前はアイデアを形にするだけで大変だった。今なら AI の力を借りて、まず人に使ってもらえる。すると、誰が必要としているのか、なぜ使うのか、いいねと言ってくれるのにどうしてお金は払ってくれないのか、そんな具体的な話になる。

ビジネスや社会には、AI がまだ本当には分かっていないことがたくさんある気がする。自分も分かっていない。だからこそ、ちょっと触れてみたい。

企業や投資、株について調べるのも、その一つだと思う。会社は何で利益を出しているのか。技術がよくても事業として成り立つとは限らないのはなぜか。技術の仕事に追われていた頃は、あまり考えてこなかった。

株を買って儲かるかどうかは、また別の話だけれど。AI に分からないことが、自分には分かるとは限らない。

せっかく時間が浮くなら、少しは別のことを試してもいいのかもしれない。全部を次のモデルのチェックや、もう一本の論文に使わなくても。

夜は宇宙の話でも読もう

寝る前に本を読む小さな部屋の上に、広大な星空が広がる。机のパソコンは閉じてある

とはいえ、こういうことを考え続けていると、やっぱり少し不安になる。

最近は寝る前に、宇宙のちょっとした話を読むのが好きだ。銀河やブラックホール、想像もつかないほど長い時間の話。読んでいると、AI の進歩は確かに速いけれど、宇宙から見れば人類はまだ本当に小さいなと思う。

時々「ボルツマン脳」のような不思議な思考実験にも出会う。ランダムなゆらぎから一瞬だけ脳が生まれ、その脳が持っていると思っている記憶すら、実際には起きた出来事でなくてもいい、という仮想の話だ。

こういう話をどう受け止めればいいのか、自分にもよく分からない。ただ、寝る前にぼんやり考える。こんなに現実的で長く感じる人生も、その仮定の中では一瞬かもしれないのなら、今日出た新しいモデルも、そこまで急いで追わなくていい気がしてくる。

不思議なもので、もっと不安になりそうな話なのに、かえって少し落ち着く。

それで、寝る。

翌朝起きたら、また AI から新しい衝撃を受ける一日が始まる。

本文のイラストは AI で生成しました。